日本の古代史を考える—⑨三国史記(百済本紀)
ここで朝鮮に目を転じます。三世紀〜七世紀にかけて、朝鮮半島では「高句麗」「百済」「新羅」が鼎立し、覇を争っていました。最終的に「白村江の戦い」で倭・百済(この時既に百済は滅亡していたので正確には百済遺民)連合軍に、唐・新羅連合軍が大打撃を与え、倭はこの敗北から立ち直れないまま、新羅が朝鮮を統一します。この三国の歴史を著したのが『三国史記』です。高麗十七代仁宗の命を受けて金富軾らが編纂しました。この書は高麗が新羅の後継を自任していた上に、編纂者が新羅王室の血を引いていたため、新羅偏重かつ新羅寄りの既述が目立ちます。そのため、その内容を充分に批判することなしに引用することは不用意の誹りを免れ得ません。とはいえ、倭と新羅の激闘の歴史は見て取れますので、倭に関する部分を抜粋して、その様子をうかがうことにしましょう。
なお、「ひのもとの史記」さんの「三国史記の倭関連記事」が一覧表になっていてとても見やすいので、概略を掴むのにはもってこいです。是非ご覧になって下さい。トップページから「ひのもとの史記・参」をクリックして、左サイドバー内「CONTENTS」の「三.三国史記」をクリックすれば見ることができます。
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