売国奴お断り - No Traitors Allowed

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尖閣諸島問題とは何なのか

2010-12-19 外交 政治

尖閣諸島は1885年から1895年まで日本政府が領有状況を調査した後、いずれの国にも属していないことを確かめた上で領有を閣議決定しています。実際に日本人が居住していた時期もあり、1940年から無人島となりましたが、日本が実効支配を行ってきました。終戦直後の1945年に台湾は中華民国台湾省となっていますが、尖閣諸島は台湾に含まれていませんでした。つまり、元々日本以外の国は領有権を主張していなかったのです。

しかし、1968年、東シナ海の大陸棚の海洋調査で豊富な石油が埋蔵されている可能性が指摘されるやいなや状況は一変しました。1971年6月に台湾、同年12月に中国が相次いで領有権を主張し始め、以降、陰に陽にその主張を繰り返し、時には実力行使までしています。国際裁判所での判例上では、こういう後出しの主張は、「禁反言」に触れる可能性が高いという指摘があるにも関わらずです。

さて、もうおわかりでしょうが、最初は資源の奪い合いで始まった問題なのです。問題のないところに問題を作り出したのは中国、台湾であって、日本ではありません。それまで尖閣諸島が日本の領土であることは、アメリカ、中国、台湾の一致して認めるところだったのです。それを70年以上経ってから因縁を付けてくるのですから、その外交に信義則だの国際法尊重など微塵もありません。

台湾では、1971年にアメリカに留学中だった台湾人学生の間から中国固有の領土である釣魚台列島(尖閣諸島)を守れ」という主張に沿った「保釣運動」が始まり、1996年以降は日本の領海を侵犯するなど活発な動きを見せています。 また、中国も頻繁にこの海域を調査していることは、周知の事実です。ただし、台湾当局は、2008年秋に尖閣諸島の主権問題の棚上げ・周辺海域の共同資源開発を提案し、漁業権交渉を優先させる方針を明らかにしていますので、態度を軟化させてきているとは言えます。とはいえ、台湾当局は、2004年1月に魚釣島を土地登記しており、それを撤回していませんから油断はできません。

さて、ここで一枚の地図をご覧頂きたい。Wikipedia の第一列島線の項目に記載されている地図です。First Island Chainと注釈のある赤い線が第一列島線です。何の線かといいますと、中国が台湾有事にアメリカの行動を抑制するために引かれた戦略的防衛ラインです。九州南端部から沖縄列島を経て台湾、フィリピン、ボルネオ島に至ります。国家軍事委員会が打ち出した戦略であり、中国が南シナ海・東シナ海・日本海を封鎖するために中国海軍が進出する公式の目標ラインです。ここで重要なのは、台湾はもとより、尖閣諸島、沖縄列島がこの第一列島線の内側にあるということです。言葉を換えて言えば、この線から内側で中国は自由に軍事行動を起こすことを望んでいると言うことです。他国の領土だろうがおかまいなしにそういう戦略・計画を立案、実行しようとするところに大きな問題があります。しかし、その重要なラインに日本領および日本領海があれば、当然軍事行動など行えませんから、それを何とかしなくてはなりません。そして、尖閣諸島、沖縄列島がそこに含まれているということに注意して下さい。

台湾は、海底や海洋の資源が目的なので妥協の余地があります。しかし中国はそれに加えて軍事的戦略に従って行動しているため、決して妥協することはありません。現に中国は、1992年に、尖閣諸島、西沙諸島、南沙諸島を中国の領土であると規定した「領海法」を施行しています。西沙諸島は、元々ベトナムと中国が分割支配していたのですが、1974年に中国がベトナム側を侵略してベトナム軍を排除、以降全体を実効支配しています。南沙諸島は、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、台湾、中国が領有権を主張しており、そのうち、台湾、中国、フィリピン、ベトナム、マレーシアが現在、島を実効支配していいます。尖閣諸島に至っては日本の領土です。にも関わらず国内法で中国領と定めたのです。さらに、1997年には、国防の範囲に海洋権益の維持を明記した「国防法」を施行、さらに現在、国家海洋局が中心となって、島嶼の管理を強化する「海島法」の立法作業を進めています。第一列島線の完成に向けて着々と手を打っているのです。一方で1998年6月に「中華人民共和国専管経済区および大陸棚法」という法律を制定し、排他的経済海域 (EEZ) を中国領から続く大陸棚の終端までに拡張し、東シナ海の資源を独り占めしようとしています。そもそも日本は大陸からの大陸棚の上に存在しているので、これがいいがかりに近い暴論であることは誰にでもわかることです。 先だっての尖閣ビデオ流出で話題になった海上保安庁による取り締まりの際、中国は100隻単位の漁船で違法操業を行っていました。国からの「領海法」「国防法」というお墨付きがあるからです。また、中国にとって自国領土と見なしている島嶼付近の海域で起きた事件だからこそ、菅・仙石が縮み上がるくらい強硬な姿勢で’船長の即時釈放を求めたのです。韓国海上警察が中国漁船を強硬に取り締まったのを見て、それに比べて我が国は…と思った人も多いでしょうが、日常的に発生している単なる犯罪と尖閣諸島で起きた事件は次元の異なる問題をはらんでいることに気をつけなくてはなりません。だからと言って唯々諾々と釈放するなどは論外きわまりない失態なのですが。

平時、国際法で軍艦が自由に行動できるのは、自国の領海か、公海上となっています。もちろん戦争になれば別です。しかし、中国はそれまでに第一列島線で囲まれた海域で軍事行動を自由に起こせるようにしたいと考えています。だからこそ、無人島群であり、台湾の目と鼻の先にある尖閣諸島に拘っているのです。また、中国政府や共産党に近い学者が「沖縄の帰属は確定していない」とか「沖縄は中国領」とする論文を発表しています。学校では「沖縄は中国領」と教えているそうです。もちろん沖縄を手中に収めたいという共産党の意向がなければこんな事態は起きえません。 そして、日本にとって、第一列島線を押さえられてしまうことは、石油が入ってこなくなるということです。石油だけではありません。東南アジア、インドからの物流を押さえられてしまうことになります。そうなれば、中国の要求を呑まざるをえません。そして、中国がどんな要求を出してくるかは、今回の漁船衝突事故と称される体当たり攻撃で明らかです。軍部はもちろん、漁民、貿易商、その他あらゆる層が根こそぎ資源を奪い、そのおこぼれを頂戴して生き延びることになってしまうでしょう。今現在でも石垣島の漁師は台湾、中国の違法操業船に非常な危険を覚えると仰っています。それが常態化するどころではない凄惨な未来が容易に予測できてしまいます。

では日本はどうすればよいのか。まず早急に自衛隊を整備しなくてはなりません。有事に予算不足で弾がないでは論外です。少し迂遠になりますが、こうした脅威が現実にあることを広く一般に周知し、憲法9条を改正して自衛隊を正式な軍に編成し直すことも必要でしょう (ただし、私は徴兵制反対の立場です)。そのためには、アメリカ、東南アジア各国との緊密な友好/協力関係が不可欠です。特に台湾との関係が重要なのは、今更述べるまでもありません。尖閣諸島付近の漁業権や海底資源の共同開発というカードをうまく使って何としても味方についてもらう必要があります。また、EU諸国の理解を求めることも忘れてはなりません。ロシアにも局外中立を厳正に守ってもらうよう交渉する必要があります。まあ太平洋が一段落ついたら次はロシア国境ですね。と情報をサービスすることも忘れてはなりません。まさしく外交の独擅場です。今の民主党ではこういう際どい外交を行う能力が全くありませんから、政権の交代と旧社会党勢力、媚中勢力は政治の舞台そのものから退場して頂かなくてはなりません。また、自民党と言えども親中派と媚中派を厳しく選別して頂き、中国にご注進に及ぶような不逞の輩を排除しなくてはなりません。もちろん、親中派の方々は中国との交渉に不可欠ですから、国賊と呼ばれたくなかったら死ぬ気で働いてもらいましょう。ここまでが準備です。

その上で、もし中国が実際に尖閣諸島に進出してきたら、必要な外交手順を踏むのは当然ですが、友好国と同盟を結び、軍事的に反撃…すなわち、開戦するのかと恫喝をかけます。ただし、中国軍部の動きに細心の注意を払った上でです。末端が暴発しても「不幸な出来事」で納めることができるよう、軍部の動きを牽制する必要があります。軍部が独走しないと見極めが付いたら、中国がそれ以上強硬に出てくることはありません。今でも強引に経済活性化政策を行って国内をなんとかまとめている状態なのに、周り全部を敵にして戦争など始めて経済が止まってしまったら、あの国は瓦解します。

ここまでできれば、上出来です。ただし、中国が引くためにはその面子を考慮しなくてはなりません。漁業権の調整、海底資源の共同開発はいわずもがなで、そんなものは手土産になりません。私は沖縄からの一部米軍の本州移転が案外使えるのではないかと考えているのですが、どうでしょうか。元々ロシアとの緊張緩和を果たし、台湾問題とその背後にいる米軍の存在が脅威と見なされたがゆえの第一列島線ですから、妥協の内容としてはそれほど外しているとは思えないのですが。

幸い、中国の軍備整備計画は遅れているらしく、本来、2010年に軍備の更新が完了するはずが、2015年までにずれこみそうだという情報があります。今すぐ対応を始めれば何とか間に合う時間です。すぐさま、行動を開始しましょう!

もちろんこれが私の妄想ですめば万々歳です。関係諸国との関係維持だってそう簡単にはいかないでしょう。ですが、手をこまねいていたら中国の計画通りことが運ぶだけです。