日本の古代史を考える—⑩三国史記(新羅本紀)
次に『三国史記』の「新羅本紀」を見てみます。え? 高句麗は? というと、「高句麗本紀」には「倭」のことが一言も出てきません。「好太王碑」が現にあり、倭と戦ったことを記しているのですから、現れないということ自体が不自然かつ胡散臭さ満点です。という目で「新羅本紀」を見てみると、卑弥呼が二世紀に新羅に遣使したとか書いてあって、中国の史書と比較検証できない三世紀以前の記事は、まず信用できないと言ってよいでしょう(卑弥呼が生きたのは三世紀。物理的にありえません)。ということで、三世紀以降の記録から倭に関する部分を抜き出してみます。
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