日本の古代史を考える—③魏志倭人伝
卑弥呼で有名な邪馬台国が記載されていることで有名な魏志倭人伝。魏志とは、西晋の陳寿が編纂した『三国志』のうち、魏の正史である『魏書』のことを云う。
魏は、西暦 220 年から 265 年に中国に存在した国である。この国とその祖曹操については、三国志演義で日本人にもおなじみであろう。なお、日本では弥生時代後期にあたる。弥生時代を代表する遺跡といえば、昔々は登呂遺跡だったりしたのであるが、現在では何と言っても吉野ヶ里遺跡であろう。筆者も現地へ行ったことがあるが、見ると読むでは大違い。吉野ヶ里遺跡は、非常に大規模な遺構であり、現地に立つと圧倒されるものがある。さてもこのような基地を設けねばならなかった時代背景とは非常に物騒なものであったと実感した次第である。このような基地を必要とした時代とはどんな時代だったのであろうか。それを読み解く鍵のひとつが魏志倭人伝である。
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